レンガの外壁の種類とメリット・デメリットや費用相場
お役立ちコラム
こんにちは。所沢市の外壁塗装専門店・ラパンペイント代表の中山です。
「新築でレンガの外壁にしたいけど、どんな種類があるの?」
「レンガの外壁って地震に弱くないの?」
「メンテナンス費用は本当にかからないの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
天然素材ならではの重厚感と温かみを持つレンガの外壁は、塗り替えが不要で、年月とともに味わいが増すという魅力を持っています。
一方で、初期費用や耐震性・対応できる業者の少なさなど、検討段階で押さえておきたい注意点もあります。
この記事では、本物のレンガを使った外壁に絞って、種類・メリット・デメリット・新築時の費用相場までを詳しく解説します。
なお、「レンガ風の見た目をリーズナブルに実現したい」という方向けのレンガ調サイディングについては、後日に別記事で詳しく解説します。
レンガの外壁とは?本物のレンガとレンガ調の違い
レンガの外壁と言われて多くの方がイメージするのは、粘土を高温で焼き固めた天然素材=本物のレンガを使った外壁です。
ただ、住宅街で見かけるレンガ風の家のなかには、本物のレンガではなく、見た目をレンガに似せたレンガ調のサイディングやタイルで仕上げられたものも多く含まれます。
両者は見た目こそ似ていますが、素材・重さ・耐久性・メンテナンス・費用がまったく異なります。
本物のレンガ
天然の粘土を使用した本物のレンガには、以下のような特徴があります。
- 粘土を焼き固めた天然素材
- 塗装メンテナンス不要(目地・下地の補修は必要)
- 初期費用は高め、重量も重い
レンガ調の外壁材
サイディングやタイルを用いたレンガ調外壁材には、以下のような特徴があります。
- 窯業系サイディングや陶磁器質タイルでレンガの見た目を再現
- サイディングは10〜15年で塗装メンテナンスが必須
- 初期費用は比較的安く、軽量
本記事では本物のレンガを使った外壁を解説します。
レンガ調の外壁材については、後日公開する「レンガ調サイディングの塗り替え|デザインを残す方法と費用相場」で詳しく取り上げます。
本物のレンガ外壁は2種類【ブロックレンガ・スライスレンガ】
本物のレンガを使った外壁は、施工方法によって次の2種類に大別されます。
ブロックレンガ(積みレンガ)
ブロック状のレンガを積み上げる工法には、以下のような特徴と制約があります。
- ブロック状のレンガを一つひとつ積み上げて外壁そのものを構成する工法
- 重量があり、専用基礎が必要
- 新築時のみ採用可能
スライスレンガ(貼りレンガ)
スライスしたレンガを貼り付ける工法には、以下のような特徴とメリットがあります。
- 本物のレンガを15〜20mm程度の板状にスライスし、タイルのように貼り付ける工法
- ブロックレンガよりも軽量で建物への負担を抑えられる
- 新築・既存住宅のリフォームどちらにも対応可能
どちらも素材は天然のレンガですが、重さ・費用・施工方法が異なります。
共通するメリットを解説した後に、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
レンガの外壁に共通するメリット
ブロックレンガ・スライスレンガに共通する、本物のレンガならではの魅力を5つご紹介します。
① 塗り替え不要でメンテナンスコストが少ない
レンガは石やガラスと同じく、紫外線や風雨の影響をほとんど受けないため、外壁塗装が不要です。
そのため、塗膜が劣化して生じる色あせやチョーキング(手で触ると白い粉がつく現象)が起こらず、サイディング外壁のような10〜15年ごとの塗り替え費用がかかりません。
② 年月とともに味わいが増す経年美
レンガは経年によって渋みや深みが増し、新築時にはない表情に変化していきます。
多くの外壁材で「劣化」と扱われる経年変化を、レンガでは「味わい」「アンティーク感」としてポジティブに楽しめます。
③ 耐火性に優れ、不燃材料として認められている
レンガは粘土を高温で焼き固めた素材のため耐火性に優れ、建築基準法上の「不燃材料」として扱われます。
火災時の延焼リスク低減にも寄与します。
④ 蓄熱性が高く、室温が安定する
レンガは蓄熱性が高いため、冬は室内の暖かさを蓄え、夏は外気の熱が室内に伝わりにくくなります。
一年を通じて室内温度が安定しやすく、冷暖房効率の向上にもつながると言われています。
⑤ 遮音性が高い
レンガは密度が高く、音を通しにくい素材です。
外部の交通騒音や生活音が室内に届きにくいため、幹線道路沿いや住宅密集地でも静かな住環境を実現しやすくなります。
ブロックレンガの特徴とメリット・デメリット
ブロックレンガの特徴とメリット・デメリットは下記のとおりです。
ブロックレンガとは
ブロックレンガは、ブロック状のレンガを一つひとつ積み上げて外壁そのものを形成する、重厚感のある工法です。
現代の住宅では、レンガの中空部分に鉄筋を通し、モルタルで固定しながら積み上げる鉄筋補強組積造として施工するのが一般的で、構造強度が非常に高く、レンガ自体の耐用年数は数百年とも言われています。
イギリス積み・長手積み・フランス積みなど、積み方のバリエーションによってデザインに変化を出せるのも魅力です。
ブロックレンガのメリット
ブロックレンガの外壁が持つ、特有のメリットを3つ解説します。
- ① 圧倒的な重厚感と本格的なレンガ住宅の風格
ブロック状のレンガを実際に積み上げて作るため、レンガ調や貼り付け系では再現できない本物だけの存在感があります。
年数が経つほど風合いが深まり、唯一無二の外観に育っていきます。 - ② 耐用年数は数百年クラス
ヨーロッパには築100年以上のレンガ建築が現役で残っており、素材としてのレンガはほぼ半永久の耐久性を持ちます。
家を「子・孫の代まで残す」前提で建てるという選択肢として、ブロックレンガは合理的です。 - ③ 構造体としての強度も高い
鉄筋補強組積造として施工されたレンガ壁は、それ自体が建物の構造を支える壁となります。
耐火・耐風・遮音といった性能も外壁材のなかで最高水準です。
ブロックレンガのデメリット
一方で、ブロックレンガには費用や施工面でのデメリットも存在します。主な5つの注意点を見ていきましょう。
- ① 初期費用が高い
30坪の新築住宅で400〜500万円程度が目安となり、一般的なサイディング外壁の3〜5倍程度の費用がかかります。
レンガを支えるための専用基礎工事も必要なため、トータルコストが膨らみやすい点に注意が必要です。 - ② 工期が長く、足場代もかさみやすい
レンガを一つひとつ手作業で積み上げていくため、工期は数か月単位におよぶこともあります。
その間、足場のリース代が継続的に発生するため、人件費・足場代ともに費用を押し上げる要因となります。 - ③ 重量があり、構造設計に高度な配慮が必要
ブロックレンガは1㎡あたり100kgを超える非常に重たい外壁材です。
基礎設計や構造計算に十分な配慮が必要で、対応できる住宅メーカー・工務店は限られます。 - ④ 既存住宅へのリフォームには不向き
専用基礎の打設が必要なため、既存住宅にブロックレンガ外壁を後付けすることは現実的ではありません。
基本的には新築時のみ採用できる工法と考えてください。 - ⑤ 建築後の間取り変更・増改築が難しい
レンガ壁そのものが構造体を兼ねているため、後から壁を抜いたり、増築したりといったリフォームの自由度が大きく下がります。
将来のライフプラン変化を想定する場合は要検討です。
スライスレンガの特徴とメリット・デメリット
スライスレンガの特徴とメリット・デメリットは下記のとおりです。
スライスレンガとは
スライスレンガは、本物のレンガを15〜20mm程度の板状にスライスした建材です。
ブロックレンガの重厚感を活かしながら、タイルのように貼り付けて施工するため、建物への重量負担を大幅に軽減できます。
施工方法には以下の2種類があります。
- 乾式工法:専用の下地ボードに接着剤で貼り付ける、あるいはレールを用いて固定する工法。工期は短いが、費用はやや高め。
- 湿式工法:下地にモルタルを塗って貼り付ける工法。費用を抑えやすく、デザインの自由度が高いが、モルタルの乾燥のため工期は長め。
レンガそのものは半永久的に劣化しませんが、下地材や目地モルタルの寿命によって、外壁全体としては30〜50年を目安に改修が必要になります(一般的には乾式工法のほうがやや長持ちと言われています)。
スライスレンガのメリット
スライスレンガ工法だからこそ実現できる、4つのメリットを解説します。
- ① 本物のレンガの風合いを軽量で実現できる
素材はブロックレンガと同じ天然のレンガなので、近くで見ても本物ならではの質感が楽しめます。
一方で重量はブロックレンガに比べて軽く、建物への構造的負担が少ないのも魅力です。 - ② 既存住宅へのリフォームに対応できる
ブロックレンガと違って専用基礎が不要なため、既存外壁の上から貼り付けるカバー工法や、外壁を張り替えるリフォームに対応可能です。
「中古住宅を購入してレンガの家にしたい」「築年数の経った我が家の外観を一新したい」という方にとって、現実的な選択肢になります。 - ③ ブロックレンガより費用を抑えられる
30坪の新築で200〜350万円程度と、ブロックレンガの半分程度の費用で本物のレンガ外壁を実現できます。 - ④ 工法のバリエーションで費用調整がしやすい
乾式・湿式の選択や、レンガの種類・サイズの選択肢が比較的豊富で、予算とデザインの希望に合わせて調整しやすい工法です。
スライスレンガのデメリット
スライスレンガを選ぶ前に知っておくべき、4つのデメリットを解説します。
- ① 一般的なサイディングよりは費用が高い
本物のレンガを使用するため、レンガ調サイディングと比べると初期費用は2〜3倍程度になります。「コストを最優先したい」という方には、レンガ調サイディングのほうが現実的です。 - ② 下地・目地のメンテナンスは必要
レンガ本体は半永久的でも、それを支える下地材や目地モルタルは経年で劣化します。
10〜15年に一度は専門業者による点検と、必要に応じた目地の打ち直し・部分補修が必要です。 - ③ 施工品質が業者によって差が出やすい
本物のレンガを扱える業者は日本国内で限られており、剥落リスクや雨漏りリスクを抑えるには確かな技術が必要です。
業者選びの段階で施工実績の確認が欠かせません。 - ④ 構造体としての強度はブロックレンガに劣る
スライスレンガはあくまで「化粧材」として既存の構造体に貼り付ける建材であり、ブロックレンガのように外壁自体が構造体になるわけではありません。
重厚感・耐久性ではブロックレンガに一歩譲ります。
レンガの外壁の費用相場【新築・30坪】
ここでは、30坪(外壁面積約120〜130㎡)の新築住宅でレンガ外壁を採用した場合の費用相場を解説します。
※建物の形状やレンガの種類、地域、施工業者によって変動するため、あくまで目安としてご参照ください。
ブロックレンガ:約400〜500万円
スライスレンガやレンガ調の外壁材と新築時の費用を比較すると、ブロックレンガが最も高額です。
主な理由は次の3つです。
- 専用基礎が必須:レンガの重さを支えるための基礎工事が別途必要
- 熟練職人の人件費:日本国内でレンガを積める職人が少なく、人件費が高い
- 長期間の足場レンタル:工期が数か月に及ぶことが多く、足場リース代がかさむ
スライスレンガ:約200〜350万円
スライスレンガはブロックレンガに比べて、専用基礎が不要なため初期費用を抑えられますが、レンガ調サイディングと比べると高額になります。
費用が高くなる主な理由は次の2つです。
- 下地工事の費用: レンガ単体では自立できないため、土台となる「下地ボード」や「モルタル下地」の材料・施工費が別途かかる
- 手作業による人件費: 大判のボードを張るサイディングとは異なり、職人が1枚ずつ手作業で貼り付ける緻密な作業が必要になる
なお、金額の幅は、専用レールや下地ボードを使う乾式工法のほうがやや高額、モルタルで貼る湿式工法のほうが費用を抑えやすいという工法の選択や、選ぶレンガの種類・グレードによって生じます。
また、既存住宅へのリフォームの場合は、既存外壁の撤去や下地補強が必要となるため、新築時より割高になる傾向があります。
レンガの外壁はライフサイクルコストで見ると印象が変わる
レンガ外壁は、長期的に見たトータルコストの安さも魅力のひとつです。
一般的なサイディングは10〜15年ごとに塗装メンテナンスが必要なため、初期費用が安くても30年間で見ると総コストが大きく変わります。
新築から30年経過時点で比較すると、サイディングと本物のレンガの差は思ったほど大きくならないケースもあります。
<30年間のメンテナンス費用の概算例(30坪の住宅の場合)>
- 一般的なサイディング: 10〜15年ごとに塗り替え・シーリング打ち替えが必要。30年間で約250〜300万円程度のランニングコストがかかりやすい。
- レンガの外壁(ブロック・スライス): 塗装が不要なため、10〜15年ごとの点検と目地の部分補修のみで済む。サイディングに比べて、30年間のメンテナンス費用を約3分の1から4分の1程度に抑えられる可能性がある。
※概算であり、製品グレード・建物の形状・施工業者によって大きく変動します。
※スライスレンガの場合は30〜50年経過時に下地寿命に伴う大規模改修費が別途必要になります。
「初期費用は高くても、メンテナンスに追われずに長く住みたい」という方には、本物のレンガ外壁は十分に検討する価値のある選択肢と言えます。
レンガの外壁が向いている人・向いていない人
これまでの特徴を踏まえて、本物のレンガ外壁がどんな人におすすめで、どんな人には不向きなのかを整理しました。
レンガの外壁が向いている人
以下のようなご要望やライフプランをお持ちの方には、本物のレンガ外壁がぴったりです。
- 本物のレンガの質感を重視する方
- 長期的なメンテナンスの手間や費用を最小化したい方
- 経年変化を味わいとして楽しみたい方
- 長く住み続ける前提の方
- 静かな室内環境・温度安定性を重視する方
レンガの外壁が向いていない人
一方で、以下のような条件を重視される場合は、レンガ調サイディングなど別の外壁材を検討したほうがよいでしょう。
- 初期費用を抑えたい方 (レンガ調サイディングの方がおすすめ)
- 将来的に間取り変更や増改築をする可能性が高い方
- 軽量な外壁を求めている方
レンガの外壁に関するよくある質問(FAQ)
レンガの外壁をご検討中のお客様から、よくいただくご質問とその回答をまとめました。
Q1. レンガの外壁は重くて地震に弱いって本当ですか?
A. 現代の工法で建てられたレンガ住宅は地震に弱くありません。
かつてのレンガをただ積み上げるだけの組積造(そせきぞう)は確かに地震に弱いとされていました。
一方で、現代の主要なレンガ住宅メーカーでは、レンガ内部に鉄筋を通しモルタルで固定する補強組積造、あるいは構造を木造軸組とし外側にレンガを積む二重構造を採用しています。
一部のレンガ住宅メーカーが行った実大耐震実験では、阪神淡路大震災の約1.5倍の揺れにも耐え、ひび割れが発生しなかったという結果も報告されています(※特定の工法・製品による実験結果です)。
重要なのは、レンガという素材そのものではなく、それを支える建物全体の構造設計です。
Q2. すでに建っている住宅をレンガ外壁にリフォームできますか?
A. スライスレンガであれば可能です。
既存の外壁材の上から施工する「カバー工法」と、 古い外壁を撤去してから施工する「張り替え」のどちらにも対応できます。
一方、ブロックレンガによる本格的なレンガ積みは、 重さを支える専用基礎を新設する必要があるため、既存住宅でのリフォームは現実的ではありません。
Q3. レンガの外壁はDIYで施工できますか?
A. 構造強度や防水性能の確保が必要となるため、外壁全体のDIY施工は現実的ではありません。
一般の方の施工では雨漏りや剥落の原因となり、結果的に大きな改修費が必要になるリスクがあります。
ただし、室内のアクセントウォールや花壇まわりなど、構造に影響しない部分であれば、軽量タイプの貼るレンガ(かるかるブリックなど)を使ってDIYで楽しむことも可能です。
Q4. レンガの外壁にも本当に塗装は一切いらないのですか?
A. はい、レンガそのものへ外壁塗装や塗り替えは一切不要です。
その理由は、レンガが土や粘土を1000度以上の高温で焼き固めた無機物だからです。
お茶碗などの陶器が外に置いてあっても腐らないのと同じで、紫外線や雨風を直接受けても、レンガ自体が劣化したり色あせたりすることはありません。
そのため、表面を塗膜でコーティングして保護する必要がないのです。
ただし、完全にノーメンテナンスでいいわけではない点には注意が必要です。
レンガ自体は無事でも、レンガ同士をつないでいる目地モルタルや、貼り付け用の下地材は年数とともに劣化します。
レンガの外壁であっても10〜15年に一度は専門業者による点検を受け、目地の部分補修などを行うことをおすすめします。
レンガの外壁:まとめ
レンガの外壁には、構造体そのものとなるブロックレンガと、化粧材として貼り付けるスライスレンガの2種類があります。
それぞれ重量・費用・適用シーンが異なるため、検討時にはまず「新築かリフォームか」「予算」「将来のリフォーム可能性」の3点を整理することが大切です。
ブロックレンガ
ブロックレンガの特徴と費用感は下記のとおりです。
- 新築のみ:費用400〜500万円
- 圧倒的な重厚感と耐久性、構造体としての強度
- 専用基礎と高度な施工技術が必要
スライスレンガ
スライスレンガの特徴と費用感は下記のとおりです。
- 新築時:費用200〜350万円
- 本物の質感を軽量で実現
- リフォームの際にも施工できる(新築時より費用がかかる)
どちらも塗り替えが不要で、長期的なメンテナンスコストを大幅に抑えられる優れた外壁材です。
一方で初期費用は決して安くはなく、対応できる業者も限られるため、信頼できる施工業者を見極めることが重要です。
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