鳥のフン(鳥糞)はどうすべき?住まいへの影響と対処法・予防策
お役立ちコラム
こんにちは。所沢市の外壁塗装専門店・ラパンペイント代表の中山です。
外壁や屋根、ベランダについた鳥のフン。
「そのうち雨で流れるだろう」と放置していませんか?
実は、鳥のフンの主成分である尿酸は水に溶けにくいため、雨では簡単に流れません。
しかもこのフンは強い酸性を持っているため、へばりついたまま放置すると、塗装の劣化や建物の腐食を引き起こしてしまいます。
さらに感染症やアレルギーなど、ご家族の健康にも関わるリスクもあります。
この記事では、鳥のフン被害の住まいへの影響から正しい掃除方法、再発防止策、塗装による対処法まで解説します。
大切なお住まいと家族の健康を守るためにお役立てください。
鳥のフンを放置すると進行する3段階の被害
鳥のフンは、見た目の問題だけでは済みません。
放置するほど建物へのダメージが「①塗膜の劣化 → ②建材の腐食 → ③雨漏り・カビ発生」という形で連鎖的に進行し、修繕費用が大きくなるリスクがあります。
鳥のフンによる3段階の被害は下記のとおりです。
①塗膜の劣化・変色
鳥のフンには尿酸などの酸性物質が含まれており、塗装面を腐食させる性質があります。
この酸性物質が外壁塗装の塗膜を化学的に分解し、光沢の低下・シミ・変色を引き起こします。
塗膜が傷むと防水機能も低下するため、外壁塗装の寿命を縮めてしまう原因になります。
②建材の腐食・ひび割れ
酸性のフンは、金属屋根や金属製の手すりにサビを発生させ、腐食を加速させます。
また、モルタルやコンクリートはもともとアルカリ性のため、酸性のフンが付着すると中性化が進み、強度が低下してひび割れにつながります。
放置期間が長いほどダメージは深くなり、部分補修では済まなくなるケースもあります。
③雨漏り・カビの発生
①②によって塗膜や建材が傷むと、そこから雨水が浸入し、雨漏りの原因になります。
さらに湿気がこもることでカビやダニが繁殖しやすくなり、建物内部の劣化と衛生環境の悪化を招きます。
本来10〜15年の耐用年数があるはずの塗装でも、フン被害が広範囲に及ぶと部分的に塗膜の早期劣化が見られ、想定より早く再塗装が必要になるケースもあります。
鳥のフンが引き起こす健康面へのリスク
鳥のフンは建物だけでなく、ご家族の健康にも悪影響を与える危険性があります。
以下の衛生面のリスクも理解しておきましょう。
感染症リスク
鳥のフンには、人に感染症を引き起こす病原体が含まれています。
乾燥したフンの粉塵を吸い込んだり、直接触れたりすることで感染します。
代表的なものは以下の3つです。
- クリプトコックス症:フンに含まれる真菌(カビの一種)が原因。症状は肺炎で、まれに脳髄膜炎に進行することもある
- オウム病:フンに含まれるクラミジアという細菌が原因。症状は高熱・肺炎など
- サルモネラ症:食中毒の原因としても知られるサルモネラ菌による感染症。症状は激しい腹痛・下痢・発熱など
厚生労働省もこれらを「動物由来感染症」として注意喚起しています。
アレルギー・喘息の悪化
乾燥した鳥のフンは粉状になり、風に乗って空気中に飛散します。
この微細な粒子を吸い込むことで、喘息やアレルギー性鼻炎などの呼吸器系アレルギーを誘発・悪化させる可能性があります。
フン自体だけでなく、巣やフンの堆積物に発生するダニ・羽毛・カビなども呼吸器系アレルギーの原因物質になるため注意が必要です。
小さなお子様や高齢者がいるご家庭は特に注意
免疫力が十分でない小さなお子様や高齢者の方は、感染症が重症化するリスクが高いとされています。
妊婦の方や持病で免疫力が低下している方も同様です。
ご家庭にこうした方がいらっしゃる場合は、鳥のフンを見つけたらできるだけ早く除去することが大切です。
自分で掃除する?業者に頼む?判断基準を解説
鳥のフンは自分で掃除できるケースと、専門業者に任せた方がよいケースがあります。
判断基準は下記のとおりです。
安全を第一に考え、無理のない判断をしましょう。
自分で対処できるケースの条件
以下のすべてに当てはまる場合は、ご自身での掃除が可能です。
- フンが手の届く安全な位置にある(1階の外壁やベランダの手すりなど)
- フンの量が少量である
- 外壁にひび割れや塗装の剥がれがない
これらの条件を満たしていれば、後述する正しい手順で安全に除去できます。
専門業者に依頼すべきケースの条件
以下のいずれかに当てはまる場合は、専門業者への依頼をおすすめします。
- フンが2階以上の外壁や屋根などの高所にある
- フンが広範囲にこびりついている
- すでに外壁に変色や塗装の剥がれが見られる
- 巣やヒナ・卵が確認できる場合
高所作業は転落事故のリスクが非常に高く、プロでも細心の注意を払う危険な作業です。
少しでも不安を感じたら無理をせず、専門業者にご相談ください。
巣やヒナ・卵がある場合はご自身で撤去はNG
ハト・スズメ・カラスなどを含め、日本に生息する野生の鳥類はすべて「鳥獣保護管理法」の保護対象です。
許可なく捕獲・殺傷したり、卵やヒナのいる巣を撤去したりすると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
すでに巣を作られている場合は、自治体の担当窓口(環境課など)または鳥害対策の専門業者にご相談ください。
住まいの鳥のフンを安全に除去する正しい掃除方法
自分でフンを掃除する場合は、健康被害を防ぎ、外壁を傷めないための正しい手順を守ることが重要です。
やり方を間違えると、逆に塗装を傷めてしまうこともあるからです。
準備するもの
病原菌を吸い込んだり肌に触れたりしないよう、完全防備で臨むことが大切です。
用意するものは、以下のとおりです。
- マスク(できればN95相当の防塵マスク)
- ゴーグル
- 厚手のゴム手袋
- 中性洗剤
- ぬるま湯
- キッチンペーパーまたは廃棄前提の古布
- 消毒用アルコール(エタノール70〜80%)
- ゴミ袋
すべて使い捨てできるものを用意し、作業後はまとめて密閉して廃棄しましょう。
消毒液の種類の注意点
塗装された外壁や金属部分を消毒する場合は、消毒用アルコール(エタノール70〜80%)を使いましょう。
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)は強アルカリ性のため、外壁の塗膜や金属部分・モルタルを傷めるおそれがあります。
塩素系漂白剤を使うなら、コンクリート床やタイルなど塗装されていない面に限定してください。
正しい掃除手順
掃除の手順は以下の5ステップです。
- ぬるま湯でふやかす
- 優しく拭き取る
- 中性洗剤で汚れを落とす
- 水拭きする
- アルコールで消毒する
まず、乾燥したフンにぬるま湯を含ませたキッチンペーパーを被せ、5〜10分放置してふやかします。
柔らかくなったら外側から内側に向かって優しく拭き取り、中性洗剤で汚れを落としたら水拭きし、最後に消毒用アルコールで仕上げます。
やってはいけない行為
鳥のフン掃除でやりがちな失敗をまとめました。
外壁を傷めたり健康被害を広げたりしないために、以下の3点に注意しましょう。
- ゴシゴシ強く擦る:フンに含まれる砂や異物で外壁表面に傷がつき、そこから劣化が進行する原因になります。
- 高圧洗浄機を使う:水圧で塗膜を傷つけるうえ、フンに含まれる病原菌を霧状にして周囲にまき散らしてしまい非常に危険です。
- 風の強い日に作業する:乾燥したフンの粉塵が広範囲に飛散し、ご自身やご近所への健康被害につながる恐れがあります。
鳥のフン被害への予防策
鳥は一度安全だと認識した場所に何度も戻る習性があるため、せっかく掃除してもまた同じ場所にフンをされてしまうリスクがあります。
そこで、鳥を寄せ付けない対策をセットで行うことが重要です。
ただし、前述のとおり鳥獣保護管理法により鳥を傷つけることは禁止されているため、「鳥を傷つけずに近寄れないようにする対策」を選ぶことが前提となります。
具体的な対策をご紹介します。
防鳥ネット・バードスパイク(剣山)・ワイヤーの設置
最も効果が高いのは、鳥が物理的に止まれない環境をつくることです。
代表的な方法は以下の3つです。
- 防鳥ネット:ベランダや軒下の開口部全体を網で覆い、鳥の侵入そのものを遮断する方法
- バードスパイク(剣山):細い針状の突起がついた器具を手すりや雨樋の上に設置し、鳥が足を置けなくする方法
- ワイヤー:手すりや屋根の棟などにピンと張った細い金属線で、鳥が止まろうとすると不安定になり着地できなくする方法
いずれもプロが推奨する定番の対策で、他の対策に比べて長期間効果が持続します。
忌避剤の塗布
忌避剤とは、鳥が嫌がるニオイや味の成分を含んだ薬剤で、スプレー・ジェル・固形タイプなどがあります。
鳥がよく止まる場所に塗布することで、不快感を与えて寄り付かなくさせる効果があります。
ただし、雨で流れたり効果が数週間〜数ヶ月で切れたりするため、定期的な塗り直しが必要です。
反射材・超音波装置の設置
CDや銀テープなどの反射材は、不規則な光の反射で鳥に警戒心を与えて近づきにくくする効果があります。
超音波発生器は、人間には聞こえない周波数の音で鳥にストレスを与え、その場所を避けさせる仕組みです。
ただし、いずれも鳥が「害がない」と学習すると効果が薄れてしまうため、鳥が止まれなくなる物理的な対策との併用をおすすめします。
外壁塗装・屋根塗装で鳥のフン被害に強い住まいをつくる方法
鳥のフン対策として意外と知られていないのが、外壁塗装・屋根塗装による対策です。
塗料の選び方ひとつで、フン汚れへの耐性が大きく変わります。
低汚染塗料でフンが付着しても落としやすい外壁に
鳥のフン汚れ対策として有効なのが、塗装の際に低汚染塗料を選択することです。
低汚染塗料の多くは、塗膜表面に親水性(水となじみやすい性質)を持たせることで、汚れを定着させにくくする仕組みになっています。
雨が降ると塗膜の表面に薄い水の膜ができ、水に溶けない鳥のフンと外壁の隙間に入り込み、汚れを根元から浮き上がらせて洗い流してくれます。
日射などで完全に乾燥してしまったフンは雨だけで流れ落ちないこともありますが、強固なこびりつきを防いでくれるため、いざという時も軽い水洗いや拭き掃除で簡単に落とせるようになるのがメリットです。
塗り替え時期が近い方は、こうした低汚染塗料を選ぶことで、将来のフン被害を軽減できる可能性があります。
※参考:日本ペイント「用語集:低汚染(塗料)」
https://www.nipponpaint.co.jp/nippelab/term/84/
防カビ・防藻塗料で二次被害を予防する
鳥のフンが付着した箇所は湿気を含みやすく、そこからカビや藻が発生しやすくなります。
こうした二次被害を防ぐのに効果的なのが、防カビ・防藻(ぼうそう)機能を持つ塗料です。
菌や藻が繁殖しにくい成分が配合されており、特に湿気がこもりやすい北面の外壁や日当たりの悪い場所におすすめです。
塗装工事の際に鳥害対策も行うメリット
外壁塗装や屋根塗装の際に、防鳥ネットやバードスパイクの設置を同時に依頼すると、足場を共用できるため別々に工事するよりも足場費用を節約できます。
足場の設置は塗装工事の費用の中で約2割を占めるため決して安くはなく、まとめて行う方が経済的です。
フン被害で傷んだ外壁・屋根は塗り替え時期のサインの可能性
鳥のフンによって変色やシミ、塗膜の剥がれが生じている場合、それは外壁塗装の防水機能が低下しているサインです。
このまま放置すると雨水が浸入し、下地材の腐食や雨漏りにつながる恐れがあります。
「フンを掃除してもシミが取れない」「フンがあった場所の塗装が剥がれている」といった症状がある場合は、一度専門業者にお住まいの状態を点検してもらうことをおすすめします。
鳥のフンは早めの対処と予防をしよう
鳥のフンは見た目の問題だけでなく、酸性成分による塗膜の劣化・建材の腐食、そして感染症やアレルギーといった健康被害のリスクがあります。
正しい方法で除去し、再発防止のために鳥を寄せ付けない物理的な対策もあわせて講じましょう。
巣やヒナ・卵がある場合は鳥獣保護管理法により自力での撤去はできないため、自治体や専門業者への相談が必要です。
フンを掃除してもシミが取れない、塗装が剥がれているといった症状がある場合は、外壁・屋根の劣化が進行しているサインなので、専門業者へ点検を依頼しましょう。
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